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  • 2021/11/24 (水)
  •  昨年7月豪雨からやがて1年5カ月。復興へ向けた大きな動きとして、くま川鉄道が28日から肥後西村駅と湯前駅間の部分運行を始める▼先週、車両はあさぎり駅に陸送されて試運転を開始。上中球磨の田園地帯を走り始めたが、沿線住民のマイレール意識は被災前とは違うはず。部分運行再開後、乗客が朝夕の高校生だけでは寂しい。どう利用促進を図るのか、全線復旧へ向けた支援を含めて求められる▼一方で気掛かりなのはJR肥薩線。いまだ復旧の方向性が見えない。先日、JR九州の労働組合関係者と話す機会があった。地域復興と地域公共交通政策実現の一つに挙げたのは、八代―人吉間の「川線」に比べて被害の少ない人吉―吉松間の「山線」の先行復旧。話を聞いて同感▼全国でも珍しいスイッチバックとループがある大畑駅、D51が展示されている矢岳駅など列車は来なくても観光資源として十分価値がある。「鉄道まつり」が開かれていた人吉駅や大畑駅でくま鉄のレールサイクル「くまチャリ」のような鉄路の活用はできないか▼風雨にさらされ雑草に覆われたままではもったいない。人吉球磨の観光復興のためにも妙案を望みたい。

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