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  • 2021/11/19 (金)
  •  今月から解禁された狩猟。昔は大物が捕れると取材依頼が来ていたが、ことしは音沙汰なし。捕れないのだろうか▼県によると、昨年度の狩猟期の主な捕獲数はシカ210頭、イノシシ594頭。その前年度はシカ249頭、イノシシ1005頭で、特にイノシシが減少。昨年は豪雨災害による山や猟場の被災が影響しているのか。狩猟期以外にも有害鳥獣駆除が増えて通年捕獲されている現状や狩猟者の高齢化など、さまざまな要因が考えられる▼狩猟期の楽しみといえば獲物のお裾分け。今ではジビエ料理の食材として洋食やソーセージに加工されるが、子どものころ初めて目にしたシシ肉は毛の付いた白い皮を不気味に感じた。大人たちが塩焼きにして球磨焼酎とともにうまそうに味わう様子は、野趣あふれる食文化として生活に根付いていた▼現在、五木村の歴史文化交流館で開かれている特別企画展「生き物と五木村」は、縄文時代の矢じりなど各時代と世界の狩猟道具が展示され、狩猟と山村文化を知る上で興味深い内容となっている▼人を恐れず山を下りて都市部まで姿を現すようになった野生鳥獣。これからの関わり方を考える機会に。

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