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  • 2021/09/25 (土)
  •  これまで世間話の冒頭は大半がコロナ禍や復興絡みだったが、最近は朝晩の冷えと健康へ。秋分を経た秋の堪能はこれからだ▼食卓に上がる献立や風景で秋の風情も感じられよう。8年ぶりとなった先の中秋の満月は、思いがけず見事な姿を堪能し深く記憶に刻まれた。そして日中の空には“うろこ雲”や“すじ雲”が確認できよう。まさに天高く馬肥ゆるとの表現が適当な爽やかさが感じられるはず▼ところで、こんな秋の爽快さを表す言葉に「秋波」がある。秋の水面の優雅さをうたうが、これに人が絡むと中身も一変。「媚眼秋波」は“媚を売る美人の流し目”、政治では“関係者の囲い込み”をさす。投開票が4日後に迫った自民党総裁選では秋波が飛び交おう▼新型コロナや少子高齢化、ひっ迫する財政状況に不穏な近隣諸国の存在など内憂外患、対処すべき課題が山積する中で決する次期首相の座。上司にしたい歴史上の人物で常に上位の坂本龍馬よろしく「日本を今一度、洗濯いたし申候」と宣するトップなど出てこないものか▼混迷社会に暗澹とした気持ちになりがちだが、秋風に吹かれ天を仰げば多少は気も晴れよう。希望を抱きたくなる秋の空だ。

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