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  • 2021/09/16 (木)
  •  世界初の新型コロナウイルスの感染地は一昨年12月初旬の中国。そして年をまたいだ1月初めには日本人感染が発覚した。コロナ禍が社会生活を停滞させて久しいが、初確認からまだ2年も経ていない▼筆者が同ウイルスを小欄で扱ったのが昨年の2月1日。“新型肺炎”と呼び、罹患にまつわる差別と区別の認識を訴えたが、今や海外ではワクチン接種の有無による社会的区別が始まっている。引いてはこれが人間的差別とならないか心配もする▼今夏、東京大学のグループがコロナ禍による国内の自殺者が約3200人増加したと発表。大半は失業など生活不安が動機と思うが、将来への悲嘆は常に人々の目前にある。全国規模のスポーツ大会中止に、望まない進路や就職など不如意な現実を味わった若者もそう▼郡市では昨夏の豪雨災害が追い打ちをかけ、経済的復興を含む月並みの生活すらままならない。つい愚痴をこぼし誰かを非難したくなるのは分かるが、希望だけは失ってはならない▼個人的に好きな喜劇王チャップリンは作中で「人生に必要なもの。それは勇気と想像力、そして少しばかりのお金だ」と優しく語る。こんな時代故の金言となる。

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