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  • 2021/09/14 (火)
  •  「私には目標がある。3年半後の東京に出場し、そこで金メダルを取ることです」。平成29年2月16日、水上中学校の立志式に招かれ、壇上でそう語っていた女性は、コロナで大会は1年延びたが目標を結実させた▼東京パラリンピック陸上女子マラソン(視覚障害)で優勝した道下美里さん(44)。三井住友海上所属。山口県下関市出身で、練習拠点は福岡県。目の角膜の病気で25歳時に視力のほとんどを失っている▼リオデジャネイロ大会の銀メダルを下げて登壇した道下さんは、進路を決める人生の分岐点に差しかかった生徒に自らの経験を基に指南。内容も興味深かった。自らも読み返したいと思ったのだろう、当時の取材ノートは9㌻にも及んでいた▼一部を紹介。スタートラインに立つことから始まる。夢や目標を持って始めるのに重要なのはスケジュール。いつまでにどんな自分になっていたいのかの具体的目標を立てると、今、何をなすべきかが見えてくるという▼冒頭の目標には続きがある。「さぼると後悔する。一日一日の積み重ねが3年半後の自分」。理想や夢を実現する難しさは誰もが知るところ。日々の過ごし方が可能性を高める近道に違いない。

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