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  • 2021/09/10 (金)
  •  本紙でも伝えたが、5日午後に突然大きな音を立てて倒れた、あさぎり町上のムクノキ▼旧上村時代の昭和46年に天然記念物に指定されただけあって幹回りは約5㍍ある大木。かつては隣に木造2階建ての旧上村役場に農協支所もあり、村の中心地として多くの住民が目にしてきたシンボルツリーだった▼ただ、地元住民によると近年は老木化が目立ち、10年ほど前には町に頼んで枝をせん定していたというが、当日は天候も穏やかでまさに天命尽きての倒木か。根本近くの地蔵や石碑は倒れたが、人や周囲の建物に被害がなかったのは幸い▼緑豊かな人吉球磨を見渡すと、水上村の市房杉をはじめ、樹齢100年以上の大木は意外に多く、その地域の景観や生活に根付いている。学校でも人吉東小学校の大クスや人吉西小学校のイチョウは、運動場の真ん中で大きく枝を伸ばした姿が生命力の力強さ、涼しい緑陰が木の持つ優しさを子どもたちに教えている▼ただし、今回のように倒木や枝折れによる危険性があることも忘れてはならない。現在、南の海で台風14号が発生し北上中。もし自宅近くに高木があれば、幹の空洞や枯れ枝がないか今のうちに確認を。

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