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2021/04/29
(木)
- きょうは国民の祝日「昭和の日」。人は過去の思い出に浸り過ぎるとダメになると何かの本で読んだが、たまにはよかろう。昭和生まれの欲目だが、あの時代はよかった▼満州を発端の戦争が続き、一定年齢以上の方には辛い時代だったかもしれない。それに災害も多かった。これらを単独で捉えれば不幸な事実で悲しく辛い出来事だが、人びとはその苦難を越えて平和と幸福を得た。昭和３０年代からの高度経済成長は世界に類を見ない進歩であり、アジア初の東京五輪も開かれた▼時代といえば世代ギャップをネタの家族問答だが何かにつけ「昭和やろ」と指摘する息子には「平成やろ」と返している。それでも日曜のサザエさんは親子揃って楽しみだ。向こう三軒両隣の日常と、平凡ながらも親子３代が共に仲よく過ごす好感に世代の別はない▼時代のせいか身近だった鮮魚店や八百屋の大半が消え、さらには水害が多数の飲食店はじめ店舗を飲み込んだ。地域を支える共同体の価値への気付き、さらには希薄化した住民同士の絆の再構築に昭和の経験は生きないだろうか▼「昔はよかった」の意識が老化の一種でもよい。きょうだけは昭和ノスタルジーに浸りたい。
