HOME>>瀬音

  • 2021/04/24 (土)
  •  ゴールデンウイークを目前に新型コロナが猛威を取り戻し、世上は騒然。将来不安などに慣れてはならぬと身構えるほどストレスもたまる。そんな時こそお茶を一服▼年間を通じ楽しみな時季がいくつかある。親譲りの健啖故どうしても“食”絡みが多く、来月の八十八夜を前に今月末ごろ販売が始まる新茶もその一つ。“いつも”の味より確実に青く若い風味こそ格別。まさに命を頂ける際立つ感覚が醍醐味だ▼人吉市でなじみの茶商はいくつかあるが、その大半が水害で被災した。一年越しの味比べもまた楽しみだ。自宅に急須を持たずペットボトルで済まされ、果てはサプリメントに代用されがちの飲茶環境だが、県下随一の茶どころの住人としては残念▼ある研究機関の調査で食前と食後の飲茶が脂肪の燃焼を促し、タンニンが脂肪分解酵素の働きを活性させるとか。さらに粉末茶ならば、水に溶出しないビタミンEが中性脂肪や血中コレステロールの上昇を抑制するとも▼ついでに一日10杯以上の飲茶でがんの死亡率が低下し、体重の一定割合以上ではアレルギー症状も緩むらしい。盲信できないが、眉唾と一蹴せずコロナ禍を逆手に心静かに茶を味わうのも手。

トップへもどる