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2021/04/22
(木)
- 子育てが終わり本を整理中、棚の隅で見つけたイソップ作品。懐かしく、しばらく見入ると心なしか現代に生きるわれわれ大人への戒めではないかと痛感▼コツコツ歩を進め結果をもたらした「うさぎとかめ」、思いやりや感謝、その気持ちを諭す「アリとキリギリス」など…。最も印象深かったのは「卑怯なコウモリ」▼鳥と獣の争いで情勢を見守り、わが身かわいさ故に有利となった方へ加担。やがて争いは終わり双方和解したが、結果としてどちらからも信頼を失ったというあらすじ▼二枚舌を使うとどうなるか、教訓や風刺を含んだ例え話だが、実際のコウモリは日が暮れるとねぐらを出てひらひら飛び回り、逆さになって羽を閉じた姿は愛嬌すら感じる▼球磨村の球泉洞や湯前町の幸野溝にある旧ずい道。昨年の7月豪雨災害前は球磨川に架かる大橋上でも見掛けたコウモリ。ことしは気付かないだけなのか、今のところ見ていない。ともあれ、私欲におぼれた揚げ句の顛末を案じた物語▼人間社会で珍しくない話とはいえ、動物社会でもあるのだろうかと想像。コロナ禍でもあり久しぶりに向き合ったイソップ童話の一冊、次はどの本を開いてみようか。