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  • 2020/10/28 (水)
  •  先週、豪雨被災地の人吉、球磨、相良、山江の4市村で開かれた蒲島郁夫知事の意見聴取会▼発言者は約180人に上り、本紙でも紹介したように治水ではダムの是非、堆積土砂や瀬戸石ダム撤去など多岐にわたった。復興を含め多種多様な意見、要望、提言をひたすら聞くことに徹する蒲島知事も大変だろうと察した▼その中で驚いたのはダムの賛否を問う住民投票。「賛成、反対はごもっとも。どこかで総意をまとめ新しいスタートを切っては」との提案だったが、川辺川ダム建設を巡り住民運動が高まっていた19年前を思い出した▼人吉市の住民団体が住民投票条例の制定を求め、有権者の半数以上に当たる1万6711筆を集めて請求したが、当時の市議会は賛成10、反対11の1票差で否決。一連の動きを通して民意とは何かを考えさせられた▼紆余曲折を経て12年前、蒲島知事の白紙撤回表明でダム建設は休止状態となっていたが、今回の聴取会を見ても住民間の賛否論は再び高まりつつあり、12年前と違い「流水型ダム」「流域治水」など新たな言葉も挙がる▼初日に蒲島知事は民意の変化を口にしたが、どう推し量るのか。聴取会は今週も続く。

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