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  • 2019/10/31 (木)
  •  文科相の失言で火が付きそうな大学入学共通テスト問題。受験生と同様、大人だって心穏やかではない▼英語で民間試験会社を使うものの採用辞退の大学や、民間会社ごとの選別基準のあいまいさが露呈した。さらに数学と国語の一部では記述解答を導入。結構だが昨年の試行調査時、抜き出しチェックでは0.3%に評価修正箇所、いわゆる不公平さが見つかっている▼人生とは“試練の連続”をもじり“試験の連続”だった戦後、特に昭和期の教育環境。その大きな節目だった共通一次試験、中でもその後期世代の子らが、いま受験期を迎える。当時の手法よりベターか否かは、現場の高校職員の声で分かろう▼教育とは憲法に従う国民の三大義務の一つ。確かに機会均等や水準確保、無償制などは義務教育に限った国の責務だ。大学受験はその範ちゅうではないが特に地方の受験生と、その家庭に経済的負担を強いる手法が最善策か▼すでに全国高等学校長協会は2度、制度見直しを文科相に送付済み。同省担当者のコメントは「予定どおりに進め、不安払拭に取り組む」。これではだめだ▼“身の丈”に甘んじず努力を続ける受験生を思うほど、混乱の責を問いたくなる親心。

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