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  • 2019/10/07 (月)
  •  注目された五木村長選挙は、無所属新人で元副村長の木下丈二氏(60)が無投票当選した。村の再建など問題が山積しているだけに新村長の手腕が問われる▼過去の村長選挙では新人同士、現職対新人の村を二分する激しい一騎打ちの戦いがあった。集落の入り口には、票の切り崩しに他地域から入ってくる人を見張る人たちが立つなど物々しかったと記憶する▼同村は、昭和41年に川辺川ダム建設計画が発表されて以降、ダム問題に翻ろうされた歴史を持つ。同56年4月の損失補償基準に2団体が調印後、水没住民の離村が相次ぎ、3年間で218世帯が住み慣れた村を離れ、寂しさが増した▼その後、平成21年9月に当時の民主党政権が同ダム中止を明言。村はダムを前提とした振興計画の変更を余儀なくされ、迷走を深めざるを得なくなった。村民は高齢化してきており、人口は9月末現在で1072人と、60年前のピーク時の6分の1にまで激減し県内最少に▼再生のためには村内の雇用創出や村民の所得向上を図ることが不可欠。早急に取り組まないと若者は村内に残ってくれないだろう。村民ならずとも「子守唄の里」が今後どうなるのかとても心配だ。

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