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2025/12/30
(火)
- 再生と復活の年と目された乙巳の2025年は、あすの大みそかを残すのみ。昭和100年と戦後80年の大きな節目に加え、天災に始まり人災の尽きなかった印象のことし。振り返れば時は早く何でも高かった▼先に発表された“今年の漢字”。結果は「熊」ながら次点の「米」には「高」と続く。国民はもちろん政府も米に翻弄された一年だが、米価は現在も高値で推移。来年以降の物価高騰は確定と聞けば、この不愉快さと怒りの矛先をどこに向ければよいか気が晴れない▼ことしの総括は百人百様と前置き。災害をはじめ紛争で傷つく人々の存在など冷たい現実に戸惑いつつ、その救済に尽力する多くの思いやりは確かにあった。出来事の明暗の根底にある好悪と良悪が絡み合い、人間社会をより複雑化する昨今、まずは前進あるのみ▼来年の干支は丙午。これに類することわざこそ「人間万事塞翁が馬」。人生における幸不幸は予測不能と知ればこそ、目前の艱難辛苦をしのぐ最善策が日ごろの心構え、災害では備えとなろうか。互助や共助があればなおさらよし▼誰もが耐え忍ぶ中、ご愛読をいただいた読者各位に心から感謝しつつ最後のごあいさつ。よいお年を。