HOME>>瀬音

  • 2025/04/26 (土)
  •  端午の節句を目前に、郡市で“探す”こいのぼり。ひと昔前ならばある程度は確認できたが、それも今や発見が至難ときた▼男児の初節句に鎧兜や五月人形などの内飾り、そしてこいのぼりや武者絵のぼりの外飾りを贈る風習。平成までは色濃く残っていた。まるで本数を競うように連なる外飾りの様子も郡市の名家、資産家宅では見られたがそれも今は昔。コロナ禍を機に減少は加速し、昨今の物価高も追い打ちをかけているはずだ▼減少最大の要因こそ子どもの数。総務省の資料では昨年年4月1日現在の15歳未満の人口、いわゆる子どもの数は前年に比べて33万人少ない1401万人と過去最少を記録している。さらにこれは1982年から43年連続の減少ともあった▼子の健やかな成長を願う伝統行事の継続は大切だが、それ以上に生きるための経済的事由の優先は当然か。さらに核家族化が進み、マンションなど住環境の変化も外飾り減少に影響しているとは専門家の弁。もっとも5月5日の認識が単なる休日であれば元も子もないが▼外飾りは減ってもかしわ餅やちまきを食し、しょうぶ湯につかるなど手ごろな習慣は残ろう。しかし少々、寂しくはある。

トップへもどる