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  • 2024/04/30 (火)
  •  個人的な思い出話で恐縮だが、30年以上前の20歳を過ぎたころ米国を3カ月ほど放浪した。リュックサックを背負った自由気ままな一人旅。片言の英語で現地の人々、各国から訪れた同世代の旅人らと交流した▼当時、手軽に情報を入手できるスマートフォンはなく、旅行ガイドブック「地球の歩き方」が唯一の命綱。ページをめくると安宿やバス、鉄道での移動手段など広大な大陸を旅するための必須情報が掲載されていた▼1カ月ほど過ぎたころ、アルバイトでためた滞在費は底をつき、一発逆転を狙いヒッチハイクでラスベガスへ。そこで得た資金でメキシコに渡ると、路上で暮らすストリートチルドレンを目の当たりにし、あまりの“格差”に驚愕した▼さまざまな気付きをもたらしてくれるところが旅の醍醐味。帰国して感じたことは日本という国の“豊かさ”だった。学生時代の経験は今でも小生の“財産”となっている▼人吉球磨では、中高生を海外に派遣する事業が行われていたが、近年はコロナ禍で中止を余儀なくされている。多感な時期に異国の文化や風土に触れ視野を広げることは大賛成。未来を担う子どもたちへの“投資”の復活を期待している。

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