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2024/04/25
(木)
- 気を付けていても読み間違えたり、見間違えてしまう漢字が多い。しかし、その見間違いから始まった活動もある▼十数年前、60歳を過ぎた母親が友達からメールで「一緒に手品を習わない?」と誘われた。友人と会場に向かうと「手話」の教室だった。メールの文章で「手話」を「手品」と見間違えていたのに気付く。そのまま流れで「手話」を習い始めた▼それが人吉球磨の保育園、幼稚園などを回る手話がたり「お子様らんち」への参加につながる。女性2人による手話を使った手作りの紙芝居は園児たちに大人気。「こんにちは」と園児も手話でにっこり。手遊びのように手話を楽しむ園児たちの笑顔があふれていた▼この12年も続いた活動は先月で幕を閉じ、わが家の玄関には園児たちが描いた感謝の似顔絵などが大切に飾られている。この子たちが大きくなった時、手話を言語の一つとして耳が聞こえない、聞こえにくい人たちとの架け橋になるかもしれない▼母は「手話と知っていたら行かなかったかも」と振り返る。この活動を知る社会人2年生の孫が4月から手話奉仕員養成講座に通い始めた。何がきっかけになるか分からないから人生は面白い。