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  • 2024/04/19 (金)
  •  郡市では、季節ごとにイチゴ、モモ、ナシなどのフルーツが楽しめるが、今の旬といえば春メロン。今週から主力品種のアンデスメロンの出荷が始まり、多良木町のJAくま上球磨選果場は、これから連休へ向けて最盛期を迎える▼郡市のメロン栽培の歴史をたどると、昭和49年に旧中球磨農協が水田裏作の有望作物としてプリンスメロンを試験導入し、同52年から栽培面積72ヘクタールで生産がスタート。その後、ホームランメロン、秋冬のアールスメロンが加わり、平成3年には470ヘクタールに達した▼しかし、台風19号など連続台風の被害で秋メロンが激減。生産者の高齢化、他作物への切り替えも進み、春メロンも年を追うごとに減少。各地にあった選果場は1カ所に集約され、ことしの栽培面積は22ヘクタール。そのうち9割以上がアンデス▼試験導入からことしで50年を迎え、春メロンの歴史そのものといえるプリンスはわずか1ヘクタールにまで減少。全国では数少ない産地となったが、今後が危ぶまれる▼かつて高級果実だったメロンのイメージを払拭し、安価でおいしい“庶民のメロン”は、昭和世代には懐かしい味。令和以降も味わえるよう生産継続を願いたい。

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