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  • 2023/03/18 (土)
  •  「思い描いた学校生活とはかけ離れていたかもしれない」―。1日の公立高校を振り出しに、人吉球磨は卒業式シーズン。卒業生は入学前後に始まった新型コロナウイルス禍に令和2年7月豪雨が重なり、「当たり前」であることの難しさ=有り難さ=をかみ締めた3年間だったと思う▼球磨中学校の立志式で講演した中村光さんは同校から秀岳館高校に進学し、今春、卒業した。股関節の病気でほとんどできなかった剣道に打ち込みたいと強豪の秀岳館に進むも、コロナ禍は部活動や学校行事など高校生活にも影響した▼人吉球磨では入学直後の休校から分散登校、ようやく新しい友達や環境に慣れ始めた矢先に豪雨災害が発生。卒業式でも「当たり前の有り難さ」が語られる中、卒業生は「みんながいるから乗り越えられた」「みんなと工夫して充実した日々を過ごせた」と前を向いた▼「悩んでいるのは変わりたいから。苦しいと思うのは楽しさを知っているから。幸せなのは頑張ったから」。南稜高校で卒業生総代を務めた川邊奏翔さんは、送辞を「ここにいる全ての人に幸あれ」と結んだ▼苦難より感謝を語る卒業生にならい、春、それぞれの光り輝く未来を願って。

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