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  • 2020/05/23 (土)
  •  私たちの生活に歌は欠かせない。心弾めば好きな曲の鼻歌が漏れ、気落ちのときに救われる場合だってある▼堂々と歌うならばカラオケ店だが臨時休業中。だったら自宅で入浴中、一人で運転中、許せば人気のない屋外で口ずさんでもよい。長年にわたり愛される名曲の曲調と歌詞には、気鬱を晴らす効果がある▼名曲といえば“朝ドラ”。モデルの国民的作曲家、小関裕而氏は早稲田大学応援歌「紺碧の空」に「オリンピック・マーチ」をはじめ、「栄冠は君に輝く」や「阪神タイガースの歌」「モスラの歌」などを作曲。ちなみに、隣接する伊佐市「大口高校校歌」の事実はあまり知られていない▼オリンピックが来年に延期となり、夏の全国高校野球大会は中止。プロ野球も現状は無観客開幕だ。時宜をはかったテレビ局の思惑は“コロナ”で外れたが、これに勝たんと懸命な関係者らへのエールになったのも確か▼古里の歌で連想する「旅愁」は、単なる敬慕の歌ではない。初任の兵庫県丹波市で神経を衰弱させた球渓が次の新潟県で、遠い故郷を強く思って作詞した。故に聴き手の心を揺さぶる▼コロナ禍でたまったストレス解消法。「歌う」も“あり”だと思う。

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