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  • 2021/12/30 (木)
  •  本年もいよいよあすで終わる。多くの家庭がことしを省み、来年に希望を抱く大きな節目を家族らと楽しく過ごしていると思う▼そんな喜びに水を差すようだが、師走の別名を「春待月」と述べるコラムを散見する。実際は旧暦の師走を指し、現代の新暦では2月初旬まで春を待つことになる。郡市はまだ災害復興途上にあって正直、実生活の春の到来もまだ先との感覚だ▼人生における時間の節目は周期的に訪れるが、記憶に刻まれた経験や思いはその節目ごとに大きく異なる。私たちの一年の反復は各自、生涯のゴールに向かう“らせん”で表せよう。真上からは停滞感の強い人生に見えても、視点をずらせばその上昇が分かるはずだ▼ことしの干支は丑だが「牛歩」だったと憂うことなかれ。「牛の歩みも千里」ではないか。来たる寅年はどうかといえば「虎歩」よろしく堂々とまっすぐ歩めばよい。個人的には「虎は千里の藪を越す」など責任も不可欠と決意▼「晴れた日には枝が伸び、雨が降れば根が伸びる」。私たちは夢を放棄せず前向きに生きる努めを決して諦めない。年の節目につき愛読に感謝、読者各位の健康を願いつつことしの筆納め。よいお年を。

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