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コンテナマルシェ　５年間の役目終え感謝(2025/12/29) (2025/12/29)

　令和２年７月豪雨で被災した中心市街地を盛り上げてきた「人吉復興！コンテナマルシェ」が５年間の役目を終え、２７日に行われた終了セレモニーで関係者は共に復興へと歩んだマルシェと事業者に感謝し、さらなるにぎわいづくりに取り組むことを誓った。
　コンテナマルシェは、被災事業者の支援と市街地のにぎわい創出を目的に、人吉商工会議所が実施。県の被災地域産業復興支援事業を活用し、土地は肥後銀行人吉支店東側を地権者から借り受けた。
　同３年１月末にオープンし、当初は飲食店など７事業所でスタート。定期的にイベントを開催しながら営業し、同５年にリニューアル。入居した延べ１６事業所のほとんどがなりわいを再建した。
　同会議所は、被災事業者の復旧状況や支援ステージの変化、仮設建築物の使用許可期限などを総合的に勘案し、事業終了を決めた。
　午前１０時からのセレモニーには、行政や民間の関係者、事業者ら約３０人が出席。
　同会議所の北昌二郎副会頭は「ここから巣立ち、それぞれの場所で新たな事業を展開する事業者の姿がこの事業の成果であり、何よりも喜び。本日が新たな一歩となれば」と述べ、来賓の溝口幸治県議と松岡隼人市長があいさつ。入居者代表で居酒屋「勝よし」の田尻敏一代表（５０）が感謝の言葉を述べた。
　正午からの感謝祭には、同マルシェを巣立って再建した事業所も店を構え、感謝の思いを胸に営業。訪れた人たちはステージイベントや食事を楽しみながら最後のイベントを満喫していた。

●今後、モデルケースに
　水害で店は被災したが、入居した事業者は同業者や客、関係者など商いを支える人とのつながりに感謝しながら次のステージへ。
　オープン当初から最後まで営業した田尻代表は「とても居心地が良く、最後までここで突っ走ってきた」と感無量。「いろいろな人と再会し、出会うことができた。マルシェがなくなるのは心苦しいが、皆さんとどこかで会えるのを楽しみにしている」と前を向いた。
　同マルシェの責任者を務め、再建後は「ＭＡＬＴ　Ｌ＆Ａ」を営んでいる嶽本武史代表（４５）は「全員で頑張ろうというのは初めての経験で、とても楽しかった」と回顧。「営業をしながら街全体を盛り上げるなどメリットは多く、まちづくりのモデルケースになる。これから若い人材が育ち、良い部分を生かして次のステージに進めれば」と願う。

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• 「千寿園」犠牲者遺族が提訴　運営法人と球磨村相手に (2025/12/27) 　令和２年７月豪雨により、球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」で入居者１４人が犠牲となった事案で、遺族が施設運営法人と村に損害賠償を求める訴えを熊本地方裁判所に起こしたことが２６日、分かった。提訴は２４日付。また、同日、人吉市で避難中に死亡した高齢夫婦の遺族も、県と市を相手取り同地裁に提訴した。
  　千寿園を巡る訴訟では、溺死した入居者の遺族が、社会福祉法人「慈愛会」と球磨村のいずれかに計３０００万円の賠償を求めている。
  　訴状によると、法人側は水防法で義務付けられた最大規模の豪雨を想定した避難計画を策定しておらず、安全性を欠いていたと指摘。さらに、村が前日に出した高齢者等避難を無視して職員を帰宅させたほか、当日は浸水リスクの高い別館に入居者を移動させたことで、本館への避難を著しく遅らせたと主張している。
  　村についても、施設への避難の働き掛けや避難計画の検査を怠った過失があるとした。
  　一方、同時に提訴された人吉市の事案では、避難中に軽トラックの中で救助を待つ間に流され死亡した高齢夫婦の遺族が、県と市に計約３６４４万円の賠償を請求した。遺族側は、県が管理する支流の堤防整備に瑕疵があったとするほか、市が支流の氾濫情報を適切に伝えず、立ち往生した夫婦への救助活動も不適切だったと訴えている。
  　昨年１２月に提起された人吉市の住民遺族による訴えと合わせ、一連の豪雨災害に伴う行政責任などを問う訴訟は計３件となる。
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