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球磨村初の不信任可決 “師走の村政”緊張走る(2025/12/13) (2025/12/13)
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村長不信任案を説明する高澤副議長
(続報)球磨村議会12定例会最終日の12日、松谷浩一村長(63)に対する不信任決議案が賛成多数で可決されたことを受け、事態は新たな局面を迎えた。村長に対する不信任案の可決は球磨村政史上初めて。人吉球磨地域全体で見ても、昭和60(1985)年の五木村以来となり、実に40年ぶりの異例の事態に発展した。令和2年7月豪雨の復興が正念場を迎える中、村政は前例のない混乱と緊張に包まれている。

●週末、支持者へ進退を伝達
 本紙の取材に対し、松谷村長は13、14日の週末を利用し、支持者らに対して自身の進退に関する意向を伝える方針を固めた。
 決議は起立採決で議長を含む賛成8人、反対1人で、可決ラインの7人を上回った。議場の空気は張り詰めていた。高澤康成副議長から提案理由が読み上げられる中、松谷村長は顔を上げたままずっと前を見つめていた。その顔は紅潮しており、重い審判に対して感情を押し殺しながら対峙している様子がうかがえた。
 可決により地方自治法の規定に基づき、村長は決議から10日以内に「議会の解散」か「失職(辞職)」かの選択を迫られている。
 松谷村長は令和2年3月の村長選挙で初当選し、現在2期目。1期目就任直後から新型コロナウイルス感染症や激甚災害の対応に追われた。議会閉会後、「任期途中でこのような事態になったことに対し、村民に申し訳ない。10日間というリミットまでに、あらゆる可能性をしっかりと考えた上で報告したい」と述べていたが、週末の支持者との協議を経て、来週半ばまでには最終的な判断が示される公算が大きくなった。

●修復不能な信頼関係
 今回の不信任可決は、単なる政策の対立を超え、村政運営の根本的な信頼崩壊が要因となっている。
 決議に先立つ調査特別委員会の報告は全会一致で可決され、6月の辞職勧告決議以降も問題が放置され続けている実態を浮き彫りにした。
 議会からの指摘に対し、松谷村長は反論と反省の両面を見せた。特に、村の観光施設「一勝地温泉かわせみ」の未払い金問題では「業者が支払うべきもの」と従来の説明を繰り返し、特別養護老人ホーム「千寿園」への駐車場無償貸付問題では「当時の判断は正しかった」と正当性を主張したが、これが議会との溝を決定的なものとした。
 さらに、地域医療の要である「球磨村診療所」の指定管理移行が難航しており、松谷村長は4月からの運営開始が危ぶまれる「切羽詰まった状態」にあることを認め、議会の不信感を増幅させた。報告書は「松谷村政では正常な行政運営は不可能」と断じている。

●副村長へも2度目の「NO」
 混乱に拍車をかけているのが、上蔀宏副村長に対する2度目の辞職勧告決議の可決。現在1期目である副村長としてのマネジメント能力欠如や、災害復興の最中における頻繁な休暇取得などが問題視された。
 松谷村長は会見で、幹部職員から「今のままでは駄目だ」「リーダーシップを取って判断を示してほしい」といった業務改善を求める声が上がっていることを認めた。
 トップ2人が同時に議会から退場を求められ、職員からも声が上がっている現状は村政の機能不全、執行部と議会の対立も修復不可能に達していることを示唆している。

●政治空白と復興への懸念
 松谷村長が進退についてどのような決断を下すかが最大の焦点となる。
 議会閉会後、舟戸治生議長と高澤副議長が村長室を訪れ、不信任決議書を松谷村長に手渡した。
 村長が「議会解散」を選べば、40日以内に村議会議員選挙が行われる。新議会で再び不信任が可決されれば村長は失職する。一方、自ら「失職」か10日以内に自発的な「辞職」を選べば、50日以内に出直し村長選挙が行われることになる。いずれの道を選んでも、選挙に伴う政治空白は避けられない。
 村議会は議員任期は来年5月4日で満了。次回選挙から定数が2減の8となる。
 豪雨災害から5年、復興事業は完了しておらず、松谷村長は「診療所の4月再開や災害復興については不信任の結果が影響を及ぼしてはならない」と述べた。
 復興途上の中、村は一丸となって国や県との連携が不可欠な時期。政治の停滞が村民生活や復興の遅れに直結する懸念が高まる中、週末の支持者への説明で村長が何を語るのか、その動向に全村民の注目が集まっている。
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