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「渓流ヴィラITSUKI」3月末で有人営業終了(2026/01/09) (2026/01/09)
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ダム水没予定地内に整備された渓流ヴィラ
 かつて「ダムによらないむらづくり」の起爆剤として、五木村の川辺川ほとりに開業した観光宿泊施設「渓流ヴィラITSUKI」が、3月末をもって職員が常駐する現在の営業形態を終了する。2008年の川辺川ダム中止から生まれた「脱ダム」の象徴は、令和2年7月豪雨災害を経て復活した「ダム建設」を前提とする新たな振興計画の波にのまれ、その役割を大きく変えることになった。

●計画復活と浸水、造成
 同施設は、半世紀にわたりダム問題に翻弄された村が、ダム水没予定地内の暫定利活用策として整備し、2019年に開業した。
 清流と静寂を売りにした「ラグジュアリー感」のあるグランピング施設として、村外から多くの観光客を呼び込んできた。しかし、国と県、村が流水型ダム建設へかじを切ったことで、施設の運命は変わった。
 国土交通省によると、下流の川辺川に計画する流水型ダムは令和9年度に本体工事に着手し、令和17年度の完成を目指して計画が進められている。
 計画では、流水型ダムが完成すると、15年に1度の確率で発生する大雨の際、洪水調整のための貯水により同施設は浸水することが想定されている。加えて、村は現在、ダム建設に伴う新たな振興策として、水没予定地を含むエリアをかさ上げし、住宅や企業用地を確保する「平場造成」を計画の柱に据えている。
 渓流ヴィラもその対象区域に含まれており、将来的な立ち退きを余儀なくされ、移転か移設かが検討されている。

●工事で損なわれる「静寂」
 運営会社の代表取締役を兼務する木下丈二村長は、公式サイトを通じて今回の決定を「流水型ダムによる『新たな五木村振興』への対応」と説明。「4月以降の営業については慎重に検討を進めている」とし、村の将来を見据えた方針転換への理解を求めた。
 現場では、環境維持の限界が決定打となった。来年度から周辺で平場造成工事が本格化し、重機の稼働音やダンプカーの往来が激増する。担当者は「施設が最大の魅力としてきた自然環境やブランドイメージが損なわれ、今のクオリティーでの提供が厳しくなる」と明かす。
 周辺環境の悪化が長期化することから、現在の食事付きの宿泊や支配人や料理長らスタッフが常駐する営業形態は不可能と判断。かつて村の観光戦略の最前線にあった施設は、限定的な活用にとどまることになる。

●最後のおもてなし
 開業から丸7年、現場を指揮してきた総支配人の仮山常雄さん(60)は「一区切り」と語る。仮山さんは村への移住者で、村観光情報センター長も兼務。自然と人情味あふれる五木村の魅力を発信し、ヴィラでの温かいおもてなしを大切にしてきただけあって、その胸中は複雑だ。
 「残念だが、新しい村の振興のためにはしかたがない」。そう理解を示す一方で、施設の立ち上げに尽力し、志半ばで亡くなったプロデューサーの砂田光紀さんの名を挙げ、「砂田さんが亡くなられたのもショックで、一番残念だ」と悔しさをにじませた。
 それでも仮山さんは「建物が使える限りは、1日でも長く活用してもらいたい」と願う。工事が始まれば、眼前に広がる自然の静寂は失われる。「本当に『癒やしの空間』として案内できるのは3月まで。最後にぜひ、この空間を味わってもらいたい」。
 ダム計画の中止で生まれ、ダム計画の復活で消えゆく渓流ヴィラ。その姿は、国策に揺れ動き続けた五木村の姿そのものである。3月31日、そのともしびが静かに消える。
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