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漁業影響巡り説明会を　国交省に要望書提出　川漁師ら(2025/12/25) (2025/12/25)

　流水型ダム建設に伴い、漁業権の消滅やアユの激減による収入減など経済的な影響を受けるとして、球磨川流域の川漁師らは２３日、ダム事業の起業者である国土交通省に説明会の開催を求める要望書を金子恭之国土交通大臣充てに提出した。
　要望したのは、球磨川・川辺川を守る漁民有志の会（吉村勝徳代表）と下球磨・芦北川漁師組合（小鶴隆一郎組合長）、ダム建設に反対する球磨川漁業協同組合の有志。提出先は国土交通大臣と同省九州地方整備局長。
　要望書によると、川漁師らはこれまでに球磨川漁協の説明会や臨時総会でダムによる濁りの長期化、アユの生態や餌となる藻類および遡上への影響等を繰り返し質問し、国の説明を求めてきたが、漁協執行部は「国に確認しておく」と不十分な回答しかなかったと指摘。
　さらに、国交省は川漁師に対する説明会を開催したことはなく、漁協執行部への説明だけでは不十分であり、組合員へ直接説明する場を再三求めているものの、その声を無視していると主張。川やアユへの影響などを同省から川漁師へ直接、公開での説明会を開催するよう求めている。
　同日は、午後１時に吉村代表と生駒泰成さん、川邊良信さんの３人が川辺川ダム砂防事務所を訪れ、田中直人副所長に要望書を手渡した。
　午後３時からは県庁で会見を開き、吉村代表ら川漁師６人が「ダムによって水が濁り、商品価値のあるアユが捕れなくなる」「質の良いアユがとれなくなるのは大きな経済損失。ダムは決して地域のプラスにはならない」と訴えた。
　吉村代表は「漁業権は漁師個人にある。漁をしない漁協と交渉しても意味がない。われわれにこそ案件内容を説明し、納得した上でダムを造るべき」と、川辺川で捕れたアユを手に声を張り上げ、国が支払う漁協への補償金の積算根拠などにも苦言を呈した。

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