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  • 2019/05/11 (土)
  •  人々は、一見華やかで夢を抱ける価値に心を奪われがち。目立つからそれも当然だが、実はその輝きが周囲とのバランスで成り立つことにはなかなか気付けない▼好きな言葉のひとつが「無用の用」。中国の思想家、老子の言で、初見では役立たずと思われがちなものが実は、有意義な役目を果たすとの逆説的な金言だ。いわゆる、物事の本質はなかなか見極められないとの戒めでもある▼今や競争社会の只中。さらには少子高齢化や増税、経済不況に紛争激化など社会不安の増大のためか、利己的な主張が増えている。中には方々で虚言し多くを欺きつつ、平然と笑顔を見せる輩がいる。そこに人心は皆無だ。まさに無用の者▼先に人吉球磨視覚障がい者福祉協会総会で会談の機会を得た。会員らは総じて「社会“弱者”」と呼ばれるが一体、何をもって弱いと表するのか。障がいを持たなければ誰もが堂々と、強く生きていると断言できるのだろうか▼あすは母の日。命を賭して生み、陰日なたでわが人生を支え続けてくれたことへの報恩はまだ。単なる無用ではなく、無用の用だったと感心される日の到来を願って墓参の予定▼幻想を嗅ぎ分け、生きる難を実感の昨今。

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