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  • 2019/03/13 (水)
  •  きょう公立高校の合格発表が一斉に行われた。その様子は小紙で詳報のとおりだが、前後して私立の中学校や高校、大学受験生からも吉報が届き、喜びも一入▼とはいえ、一昨日、東日本大震災から8年を迎えた被災地で楽しみにしていた進学や進級もかなわず人生の幕を閉じた若人の無念さを思えば言わずもがな。「もう一度わが子に会いたい」「孫の声を聞きたい」と声を震わせる親や祖父母の募る思いを知るとなおさら▼将来の夢を実現すべく勉学やスポーツに励むのはもちろん、震災に限らず何らかの理由で若くしてこの世に別れを告げた子どもたちのことを思えば少々のことではくじけない“生きる力”を強くと願う▼震災以降、毎年欠かさず小、中学生らと米を作り、売り上げ金を被災地に贈っている剣道場「あさぎり翔成館」の上杉謙一館長が大事にしているのは、人の痛みが分かる人材育成。自分さえよければ―の身勝手さ、理不尽さが横行してやまない時代故でもある▼さて、“サクラサク”の笑顔がはじければ次はソメイヨシノの開花が楽しみ。人 々を和ます花の蕾は日増しに膨らみ、本格的な春の足音ももうそこまで。一家だんらん、愛でる時間を作っては。

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