HOME>>瀬音

  • 2018/12/15 (土)
  •  1週間前の8日は太平洋戦争開戦記念日。77年前の当時は戦勝ムードに沸き返っていたに違いない。ただ、その快進撃も長くは続かず、多大な戦死者と犠牲を出していく。早く終戦していたらと考える人は多い▼人吉出身で海軍少将だった高木惣吉氏は、密命を受けて終戦工作に奔走した人物。のちに名誉市民となり、矢黒町に私設記念館がある。先日、そこで「人吉の偉人に学ぶ会」の会合が開かれた▼同会は、高木氏をはじめ、郷土出身の偉人を「人物遺産」として発信し次世代に伝え継ぐことを目指して5月に結成。来年1月にはシンポジウムを計画中。同館の来館者名簿を見ると全国から訪れており、「日本遺産」と並ぶ誘客力の可能性を感じた▼先月は、打撃の神様で知られる川上哲治氏の生誕100年へ向けた記念事業実行委員会も発足。顕彰事業の具現化へ動き出した。また、今月から正午になると市内の防災行政無線から犬童球渓氏の「旅愁」のメロディーが流れるようになったが、いずれも偉人に目を向けるきっかけになるはず▼偉人たちの生きざまに学ぶことは多い。人物遺産をいかに地域振興につなげるか。ともに知恵を出し合いたい。

トップへもどる