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  • 2018/12/12 (水)
  •  師走もはや3分の1が過ぎ、そろそろ年賀状の準備をと思えば、例年に増して喪中欠礼のはがきが届く。親戚や友人、知人の親であれば幼少期、学生時代と何かにつけてお世話になった思い出が走馬灯のように駆け巡る▼つい先日、弊社発行の元日特集号に長らく作品(写真)を掲載いただいた小泉昭吾さんの訃報を知った。優しい口調と朗らかな笑顔が、人柄はもとより作品ににじみ出ていたが故に、天国でもすてきな写真を撮られることだろう▼ともあれ、ことしの年賀状は「平成」最後。1枚につき5円を社会福祉増進や青少年健全育成などの事業を行う団体に役立てる寄付金付きの九州版には“平成を風靡”したくまモンが愛らしく描かれている▼小型化、高性能の代名詞ともいえる携帯電話での「あけおめ」を否定するつもりはないが、せめて年賀状の一部なりとも手書きで、文字の上手下手にかかわらず自身の“味”を出してほしいもの▼端末器の操作は得意だが書くのは苦手、面倒くさいという若人が増えたのは便利さに慣れた反動に他ならない。暑中見舞いはともかく、新しい年始め。短文でもいいから書く努力を―。自戒も込めて。

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