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  • 2018/11/16 (金)
  •  「分かってはいても…」―。運転免許証の自主返納もその類いだろう。老いてきた母が自身の思いに踏ん切りをつけ、自主返納してちょうど1年が経過。いまだに「不便」「返さなければよかった」と悔いの言葉が口に出る▼聞けば交通の便の不自由さが最たる理由。バスを利用するにも本数が少なく、時間が制約される。それ故、長年続けた趣味も「やめようか」と寂しげだ。年を重ね不安が尽きなかった交通事故の加害者になる確率が減ったのは幸いだが、胸中は複雑▼内閣府はことし、運転免許証の自主返納制度等に関する世論調査の結果を公表済み。どのようなときに運転免許証を返納しようと思うかの問いで「自分の身体能力の低下等を感じたとき」との回答が全体の64.8%、70歳以上の5.7%は「返納するつもりはない」ようだ▼地方は超高齢化社会へまっしぐら。郡市は10市町村のうち5町村が高齢化率40%を超え、ほかの市町村も30%台。過日、高校生から「人吉球磨に足りないもの(必要なもの)は?」と素朴な質問を受けた。高齢者や障がい者など利用しやすい公共交通網の再編にかかる“スピードアップ”もしかるべきと思うが、さて。

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