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  • 2018/11/12 (月)
  •  10年目となる蒸気機関車「SL人吉」の運行が、先週4日に終了。JR人吉駅には大勢の郡市民や鉄道ファンが詰め掛け、手を振りながら見送った。冬場はメンテナンスのためしばし運行を控えるが、来春の再開が楽しみだ▼「SL人吉」を牽引する58654号機「ハチロク」は、大正11年11月に誕生。昭和50年3月に国鉄最後のSLとして引退。同63年に観光列車「あそボーイ」として復活したが、台枠損傷で廃車寸前となった。平成21年4月に「SL人吉」として奇跡的に再復活するなど特別な運命を背負ったSLでもある▼「SL人吉」の華々しい表舞台はよく知られているが、復活の裏舞台を知る人は少ない。復活に携わった人たちの苦労を知ってもらおうと開かれたのが人吉鉄道案内人会による「SL人吉」運行10周年記念講演会▼再び走れるようにするには大変だっただろうと思っていたが、上映されたDVDの映像を見て、裏方の人たちの苦労は並大抵のものではなかったと思い知らされた。復活に携わったエンジニアに敬意を表したい▼その苦労や情熱を児童、生徒に知ってもらうための場をつくるべきだ。「SL人吉」への愛着が増すように。

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