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  • 2018/11/06 (火)
  •  巷では、ハロウィーンが終わり、クリスマスイルミネーションが瞬く中、年賀はがきの発売開始。さらに叙勲者の発表が終わればあすの立冬だ。光陰矢の如し▼「平成最後」の決まり文句が各所で響き始めた。残り約半年の平成だが、果たして後世はどう評価するのか。息子らに揶揄される昭和生まれには、昭和は大東亜戦争または太平洋戦争を節目に、経済成長と豊かさを享受した素晴らしい時代だったと回顧▼翻って平成への思いは正直、暗いものばかり。消費税導入を機に経済が冷え込み、バブル経済が崩壊。さらに中央と地方の地域間格差の広がりもこのあたりに始まった。そして国内外を襲う天災や大事件、そしてまた戦争だ▼昭和と平成で社歴を二等分する本紙のように、戦後に創業した法人は数多。裏付けなき皮算用、対処的経営で明るい未来は得られない、新たな節目の到来だ。“進取”が鍵と伝える先人の遺徳に感謝▼今や大人は安易な権利の主張、子どもはSNSの支配という具合に、社会が“個”に傾く時代と思う。かえって人の温もりが価値を増す▼単なる懐古主義は嫌いだが、平成と昭和で受け取った課題は確かにある。未来への希望としたい。

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