HOME>>瀬音

  • 2018/10/19 (金)
  •  非農家にはなじみが薄い土地改良区。農業に欠かせない水利施設などを管理し、郡市では世界かんがい施設遺産の「幸野溝」「百太郎溝」が有名。これ以外にも小河川から取水する用水路、ため池が数多く点在。手掘りの隧道などに水を確保し米を作りたいという先人たちの苦労がしのばれる▼時代が変わって米の減反が始まり、今では人口減少社会。農家も消費者も減り、逆に増えてきたのはシカやイノシシに耕作放棄地。先人が築いた土地改良施設の老朽化が目立ち、各土改区も今後の維持管理、運営に苦慮している中、環境教育活動として続けているのが「田んぼの学校」▼子どもたちに農村体験を通じて土地改良施設の持つ多面的機能、水、食、農へ理解してもらうのが狙い。ことしは相良村で開催され、参加親子が印象に残ったものとして語ったのは、昼食のおにぎりのおいしさ。豊かな環境が育む米の味わいに農業の不変さと光明を感じた▼土改区のもう一つの名称は「水土里ネット」。水は農業用水、土は農地、里は農村、ネットは人のつながりを意味。次代につなぐには、農家だけでなく地域住民の理解と協力が不可欠。農とのつながりを考えたい。

トップへもどる