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  • 2018/10/12 (金)
  •  おくんち祭の神幸式行列でにぎわった国宝・青井阿蘇神社をはじめ、郡市各地域に点在する神社は秋の大祭期。実りへの感謝や御利益を求めて参拝者が絶えない▼湯前町の里宮神社といえば、水上村の市房山神宮の下宮に当たり縁結びの御利益で知られていたが、3年前から状況が変わってきた。旧日本海軍の軽巡洋艦「球磨」の艦内神社が市房山神宮だったことが分かったから。その後、全国から艦内神社巡りの参拝者が増加▼今月末には軍艦を擬人化したゲームに登場する「球磨」キャラ好きの若い女性が、マイカーにキャラをあしらった“痛車”で参拝。車もさることながら遠く香川県から九州の奥球磨まで一人で運転し訪ねてきたことに驚かされた▼きっかけはどうであれ、戦争を知らない平成生まれの若者がゲームを通じて戦中の軍艦に関心を持つのも平和な世の中だからこそ。9月から境内の遺族会館内で「球磨」の関連資料の常設展示が始まり、女性も興味深げに見入っていた。次世代に平和を伝える場がまた一つ増えたことを歓迎したい▼新たに「球磨」の艦歌が分かったとの一報も入り話題が続く同神社。訪れる際は戦没者の冥福と恒久平和の祈願を。

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