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  • 2018/10/10 (水)
  •  平成の最後を飾る「おくんち祭」は、あす11日の報賽祭でとり納め。世の安寧を願い、伝統の明かりを消すまいと努める奉賛会継承部の思いに頭が下がる▼明かりといえば、初日夜の幻想的な半纏おろしの灯明火文字は「軸」だった。より地域を盛り上げるには要となる軸が必要とする所以だが、ともあれ人々の暮らしを支える政治、経済全てにおいて軸の大切さは変わらない▼世界の国々を見渡せば、ぶれが生じ、方向性を見誤ったあまり、交渉事が何かと不調に終わった事例は数知れず。その場しのぎの“ツケ”は代償こそ大きく、軌道修正しようと力んだところでわずかなりが関の山▼そういえば昨日朝、神幸式行列の先頭を担う人吉東小学校鼓笛隊の集合場所へ急ぐ児童と遭遇。幼いころから知る成長した姿は頼もしく、軸足をしっかり置いて日々やるべきことと向き合っている証しだろう▼少子高齢化、過疎化が著しい地方の未来が問われ続ける昨今、伝統行事にふれる子どもたちの10年、20年後を思えば今を生きるわれわれ大人の責任は言わずもがな。おくち祭を継承してきた先人こそぶれることのない「軸」があったればこそと感謝。今を見て先を見よう。

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