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  • 2018/09/15 (土)
  •  言い古し聞き飽きた表現だが、ことしは明治維新から150年の節目。とかく社会は、そんな境目に事寄せがち▼社会構造は不変のようでその実、大きく変わり続ける。変化を忌避する人びとには“無難”はさぞかし憩いであったろう。しかし、一大局面の超越の連続が時代を構成したと思えば、その言動は罪深い。変化こそ不変であるべきだ▼先人が常に成長を希求した結果の“今”である。行動成果の正否を問わず、われわれは彼らへの進歩に敬意を払うべきだ。付言すれば、安易な批判に終始しそれを建設的と強弁、不当に納得する愚行など、まさに先人への非礼だ▼ある調査会社によると、2018年の国内の“周年企業”は14万社で、うち1760社が百年企業の仲間入り。時を見据え生き続けた価値の高さは普遍的である▼節目といえば、60という数字を周期で捉えた場合、十二支では起算点に戻る。年齢がこれにならえば還暦だ。60とは長寿を喜び、再生の気概を求められる大きな転換点だ▼本紙はきょうで満60歳となった。先人の労苦と読者各位の愛情の賜物による崇高な節目である。衷心より感謝し、未来に向けた変わらぬ愛読を切に願う。

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