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  • 2018/09/07 (金)
  •  先月、錦町と人吉市で開かれた農業委員やJAなど農業関係者による意見交換会。郡市の農業が抱える課題が改めて浮き彫りに▼農家の高齢化と減少は早くから指摘されていたが、現在では農産物を消費地に送る段階での選果場従業員、輸送トラックの運転手の確保に苦慮。外国人労働者の受け入れが話題に上がるほど人手不足は深刻化している▼農業だけでなく林業もしかり。郡市の山では戦後に植林した木が伐期を迎えたが、現場で作業に従事する森林整備員の高齢化が進んで減少。伐採や搬出は機械化できても、そのあとの再造林は植林、下草払いと手作業に頼らざるを得ず、林業事業体では人材確保に苦心する▼そんな中で光明となりそうなのが、県が来年4月に開校を目指している林業大学校。県南の座学拠点を五木村、現場実習を県南地域に設定し、これから開校へ向けた準備を本格化させる▼新規就業希望者を対象にした長期課程の研修期間は約1年。郡市の近くに学びの場があれば、林業を志す若者も呼び込みやすくなる。山の守り手を確保することは林業振興にとどまらず、土砂災害防止や川の清流維持につながることを忘れてはならない。

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