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  • 2018/08/17 (金)
  •  あの日から73年を迎えた平成最後の「終戦の日」に不戦と平和を願い、改めて命の尊さや重さを考え、自問自答も幾つか。戦争体験者は減少の一途をたどり、不戦がなぜ必要か伝えるべく術と合わせて▼人類にはびこる欲望や野望の愚かさに気付き、相手を思いやる姿勢を貫けば、それこそ平和への近道ではなかろうか。くしくも「終戦の日」と同じ日、それを体現している人にテレビを通して“出会う”ことができた▼そう、山口県で3日ぶりに男児を無事に発見した大分県の男性だ。お世話になった人生、何か人のために役立つ思いで始めたというボランティアの捜索活動は、自家用車に寝泊まりしながら。自己完結、自己責任をモットーとする生きざまに学ぶこと多し▼「世の中に重たいものはたくさんあるが、人の命ほど重たいものはない」と語っていた男性が我欲にとらわれず、人命を尊重しつつ第三者が喜ぶことに徹し、かたくなに守り抜いている一つは約束に他ならない▼理由はどうであれ約束を破り醜い争いへ舵を切った挙げ句、多くの命が失われた結末は世界史をひもとけば明らか。言うは易く行うは難し―。この意味に心から気付かされた日でもある。

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