HOME>>瀬音

  • 2018/07/13 (金)
  •  熊本県を代表する観光地として挙がるのは人吉球磨ではなく“火の国”を象徴する阿蘇。中岳に草千里、外輪山の大観峰など雄大な景色は訪れるたびに感動するが、近年は水害、噴火、熊本地震と自然災害に見舞われ、地元では厳しい状況が続いている▼今月、阿蘇山上の観光事業者が相良三十三観音めぐりの視察に訪れた際、その現状を明かしたが、ロープウェイやレストハウスなどの復旧にはまだ時間を要するという。5月に草千里を訪れた際は大勢の観光客でにぎわっているように見えたが、現在の観光ツアーは詰め込み型が増え、立ち寄って見たあとは宿泊せずに大分など次の観光地へ流れているという▼この状況は郡市も同じ。10年前、青井阿蘇神社が国宝になり、「SL人吉」の運行が始まって観光客は増えた一方、多くは宿泊せずに霧島方面へ。地元経済に結び付く滞在時間をいかに増やすか。どこの観光地も抱える悩みは共通▼そんな中、先の大雨で肥薩線が被災し観光列車の運休が続く。書き入れ時の夏休みを控え、観光事業者の一日も早い運転再開の願いは切実。1週間もたつと黒煙と汽笛が恋しい。梅雨が早く明けた分、焦燥感が募る。

トップへもどる