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  • 2018/05/15 (火)
  •  郡市は春の体育祭の時期。子らが青春の熱情をその日その瞬間に弾けさす。雨天順延のきのうは“新燃”も爆発。思い出深い一日だった▼体育大会といえば小紙既報の多良木高校。すでに手遅れで術はなく、往生際が悪いと理解してもなお、同校の閉校が口惜しい。もう少し、地域住民の声を真摯に拾える猶予があっても良かったと悔やむ。同校野球部の名将、齋藤健二郎監督の悲願、「ふるさとの子らと甲子園へ」の夢を抱けたのは幸いだった▼人はこの世に生を受け、余命を削り生きている。愚痴をこぼし悪口三昧、趣味に生きたり勉強し、喜怒哀楽を繰り返すなど時の扱いは百人百様。中味はどうあれ、生きられることの喜びすら味わえぬ社会弱者の事件や事故、不遇の報に心痛む。彼らは一度でも人生の情熱を感じられただろうか▼わが身内を含め、志半ばで命果てた人を多数知る。後悔尽きぬ時、彼らを指し「世の役目を立派に終えたのだ」と、ある宗教家に諭された。そう思えば故人も浮かばれ、わが身も救われるとの貴重な助言▼体育祭のわが子を眺め、連綿と続く世代のリレーに謝恩も増す。齢半世紀。体力はさておき、続く親の責務に情熱燃やそうと奮闘の昨今。

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