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  • 2018/04/19 (木)
  •  人災と天災。いずれも勘弁願う代物だが、いつ何時、どんな形態で遭遇するか分らない。災害とは不安の誘発要因の一方、未来対策への一歩と皮肉な一面も▼国内のみならず、世界規模で蔓延する紛争や食糧危機は人災だ。利権や文化、宗教にイデオロギーの対立は必ず、人命を含む犠牲で成り立ち、その最たる被害者は常に社会弱者である。直近の約四半世紀で起きた“天災”への対応を見る限り、時の政治が招く“人災”重複の可能性はなかったか▼熊本地震は無論、東日本大震災の被災者救済もいまだ途上。復興庁の資料では、仮設や公営の各住宅避難者数は九州と沖縄で1585人、岩手・宮城・福島の東北3県だけで2万8168人に上る。天災には自立再建が基本のわが国。被災者の心落ち着く日は来るのか▼被災といえば先の大分の土砂災害。同様の急傾斜地の多い郡市民には不安材料だ。各自治体の土壌確認は進んでいるのか。繰り返すが無策の天災は人災でもある。住民の笑顔が暗転せず、楽しく過ごせる日常のため、先んじた対応を切望する▼災いが害ならば、人災は“人害”でもある。負の元凶とならぬよう自戒を込めて無知を忌み、未来を語り続けたい。

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