HOME>>瀬音

  • 2021/05/11 (月)
  •  新型コロナウイルス対策において、最も身近なツールがマスク。ひところ、巷の話題をさらった“アベノマスク”が郡市に届き始めたのは確か昨年の今ごろだった▼品質の担保と有用性、引いては政策としての妥当性などどれをとっても低評価で自身も使わず寄付に拠出。さらに昨夏の復興作業時、泥にまみれた未使用のアベノマスクを発見したが、行政対応の遅れや被災者の苦悩を目前にし、形容しがたいむなしさと怒りを覚えた記憶は今でも鮮明だ▼マスクといえば新型コロナ流行前の一昨年、冬場の風物詩でもあるマスク姿の日本人の往来について小欄で触れた。当時、人吉城跡で出会った米国人夫妻曰く「まるで汚染地帯に来た感じ」。彼らも今ごろはマスクを手放せずストレスを抱えるはず▼その“コロナ”。変異種の罹患者急増とともにワクチン効果への疑念が増す中、わが国のワクチン接種率は5日時点でわずか2.2%。首相は会見で「スピード感」や「しっかり」などの形容詞、副詞を多用するが、真摯に責任を果たすのであれば数字で説明すべきだ▼国民に必要なのはマスクではなくワクチンだがめどは立たず。まずはわれわれ一人一人の忍耐が欠かせない。

トップへもどる