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  • 2020/08/08 (土)
  •  大規模な自然災害や重大事故が起きた際、その責任者や関係者らが発する「想定外」。これが出たらご意見無用の“印籠語”だが、最近多くないか▼発する側はもちろん、言われる身だって妙に納得する不思議な言葉だが、今回の豪雨による被災者はこれで納得できるのか。雨量と被害の大きさが想定外なのは分かるが、支援体制ではそうもいくまい▼片付けと清掃の進捗における地域間格差、居宅高齢者の災害ごみ搬送問題など、想定より対応が急務な事例を挙げればきりがない。関係者の不断の努力を知るが故に悔やまれる▼ところで、新型コロナ感染者が出た人吉市周辺の被災者からは不安の声が上がる。拙速感の否めないGoToトラベルに加え、今後は盆休みの到来で帰省者も増えよう。発症後の想定外は通用しない。各自で感染症対策の実践を▼過日、仕事で通過した市内山間部で荒れた山林を散見。保水力を持つ治山と治水は表裏一体と思えばこそ、想定外では済まされない。検証の際はぜひとも俎上に載せてほしい▼まだまだ続く復興支援。被災地の各所で想定を超えたボランティアの協力に感動と喜びの輪が広がっている。この想定外ならば大歓迎だ。

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