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  • 2020/07/02 (木)
  •  麓町の人吉市旧庁舎解体後2年を経て一帯の様変わりも進む。先日は、南側通りのタイワンフウ並木の片側13本が伐採された▼秋に美しい紅葉を見せる景観スポットだっただけに、消滅を惜しむ声も。市役所あっての並木で、そのうち…とは予想していた。成長し過ぎによる弊害が理由では仕方ないが、片側が残ったとはいえ、突然…との思いはどうしても▼同市庁舎の落成は昭和37年だから、樹齢は50年以上。北村龍雄さん著「球磨人吉の老樹名木誌」や市職員OBの話では、市職員だった永井里水さんの提案で、当時珍しかったユーカリとともに植栽したらしい。「よく似たタイワンフウ30株とトウカエデ25株を混植」と同誌に。現存の本数とは違うし、名前はどっちがホント?と疑問も▼一帯では同34年の熊本国体記念のメタセコイア28本が白塀建築で、また民家近くのモミの大木も人吉城歴史館建設時に伐採された。TVドラマ「樅の木は残った」の時に注目され、幹に巻いたノウゼンカズラが開花すると「花も嵐も踏み越えて…」の小説「愛染かつら」のモデルと聞かされたもの▼名木ならずとも老樹には興味深い話がよくある。伐採は簡単だが、慎重な判断を。

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