HOME>>瀬音

  • 2020/02/22 (土)
  •  人間社会では、常にどこかで誰かが評価を下し、その結果に一喜一憂する人々がいる▼たとえば企業なら、昇格または降格の人事考課に加えた報酬査定など。そんな身近な精察に加え、家庭ですら父親や夫としての値踏みも気にはなる。評価社会はきわめて窮屈だ▼今やウェブ利活用の時代。若者に限らず周囲のおじさんも、訪問する飲食店の“口コミ”、いわゆる外部評価を参考にしている。全て他人の判断ながら付和雷同、共通項が多いほど無難で安心というわけか▼店舗評価では、世界の飲食店やグルメが気にするミシュランガイド。創刊100年超を誇り、最高の“三ツ星”から“プレート”まで、訪問動機には十分だが発祥の地、フランスでは星の扱いで騒動も起きる▼評価といえば以前、タナベ経営元社長の故田辺昇一さん来訪の折、「周囲の目を気にする経営者が多い。それは自信のなさであり怖さ、弱さだ。今こそ改善のチャンス。克服すれば自己成長になる」と力説▼さらに「意地を張るから成功しない。素直さが大切」とも。多少の記憶違いはあろうが、おおむね厳しくも愛情深く懐かしい思い出。人生を厳しく歩んだ先達の評価にだけは珠玉の価値あり。

トップへもどる