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  • 2020/02/20 (木)
  •  ひとよし植木市にことしも出掛けた。目当てのものはなく残念だったが、目の保養には十分。古材のたき火にあたって暖をとりながら、住民と業者が樹種の選定や育て方などのやりとりをするおなじみの光景も▼この植木市には思い入れがある。昭和44年の人吉商工会議所主催の第1回は、市とわが社の後援での開催。客足が鈍る冬場から初春にかけての九日町、紺屋町両商店街振興の起爆剤にという狙いだった▼目に見えた消費拡大にまでは至らなかったようだが、初春の新イベントとして市民に歓迎された。伝統の“春の市”がさびれ始めていたこともある▼旧暦2月5日の五日町から七日町、九日町、大畑町、二日町、下新町、彼岸の中日の紺屋町の順に、きじ馬や香箱、市だんご、市花などを売る露店が沿道に並んだ。“市風にあたればその年は風邪をひかない”とのいわれもあり市民が楽しみにしていた春の風物詩。今では大畑町のひゅうはぎ市にその形を見るだけ▼初回の力の入れ方、規模に比すと、51年後のことしは寂しく、そして終わった。それでも「ひなまつり」を開催中の石野公園の入場者増加に一役買ったかもしれない。末永く続いてほしい初春の催しだ。

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