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  • 2019/11/12 (火)
  •  秋が深まり、焼酎が旨いと左党の友人。夏祭り、秋のイベントとたっぷり頂いたはずなのに。続く忘年会、明けて正月、春の花見と来れば年がら年中では…と冷やかした▼昭和36年の師走、郷土史家の豊永すずらんさんが本紙への寄稿で、酒飲みを指す左党について触れていた。「江戸時代の金山詞。鉱夫たちが坑内で鉱石を掘り出すとき、ツチを持つ右手を“ツチ手”、ノミを持つ左手を“ノミ手”と言った。その“ノミ手”が“飲み手”となって…」と▼いわれは他にもあるそうだが、酒ついでなら「お酒飲む人 花なら蕾 今日も咲け(酒)咲け(酒) 明日も咲け(酒)」。どこぞの新聞に載っていたもので、上手さに感心。友人も思い当たろう▼元に戻って、左党の寄稿の同ページに人吉市の年末年始新生活運動の啓発記事。その節酒の項には「酔っ払い天国は古い日本の悪いくせ」「強いず、勧めず、適度な微くん」。「微くん」が分からず辞書で引いたら「ほろ酔い」のことだった▼取り決めは他にも「新の正月には国旗を掲揚」「贈答品は必要最小限度に」「忘年会は控えめに」とあり、あのころのよき人吉を思い出した。何かとせわしい師走も迫る。

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