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  • 2019/08/21 (水)
  •  SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及などでやり取りが減ったはがきでの残暑見舞いが先日、関東在住の幼なじみから届いた▼古里・人吉で母の初盆法要を終えた近況と合わせ「とうとう人吉に住む家族もいなくなり墓を残すのみ(中略)人吉はいつまでも心安らぐ唯一の故郷と思っています」と書かれていた▼文面から“読み取る”ことのできる地方ならではの現状。姉と2人きょうだいの友人は大学卒業後、就職で関東へ。家庭を持ち、子どもたちはすでに社会人。姉も遠方へ嫁いでいる▼これまでと異なり家族のいない古里へ帰郷する頻度が減るのは言わずもがな。少子高齢化、過疎化が進む地方で課題の一つは管理されることなく放置される無縁墓。家族形態の変化も影響し墓などの問題を含めて「終活」の在り方も問われて久しい▼近年、お盆や正月などに墓掃除を代行業者へ依頼する人が全国的に増え、希望に応じ献花などを行う所もあると聞く。先のはがきの写真には人吉の街並みを一望できる山の頂で友人の息子夫婦が「おばあちゃん来たよ」と言いたげな表情で納まっていた。季節は移ろい1カ月後は彼岸。先祖を敬わねばと自省。

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