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  • 2019/06/21 (金)
  •  社会問題となってきた高齢のドライバーによる交通事故。他人事ではなく誰でも高齢になれば老いのリスクは高まる。高齢者を抱える家族も気がかりだろう▼同時に関心が高まってきた運転免許証返納。先日の市議会一般質問でも新人議員が取り上げていたが、人吉警察署管内では昨年199人が返納、2年前より81人増えた。ことしは全国で重大事故が報じられたこともあり、さらに増えそう▼都市部であれば電車やバスなど公共交通機関が充実し、車がなくても生活できるが、郡市の農山村部ではそうもいかない。通院、買い物だけでなく農作業にも車は欠かせず、運転に不安はあっても返納できない実態がある▼市町村も福祉政策の面からコミュニティーバスなどの運行、買い物支援など各種事業を展開しているが、厳しい財政の中でいかに効果的な支援ができるか苦慮。公助の限界も垣間見える▼以前、市が公共交通空白地帯で実施した「ドア・ツー・ドア」の実証運行は意外にも利用が少なかった。その一因に家族や知人による共助の移動手段の定着を挙げていた。これから大雨や台風など災害が懸念される時季。高齢者に共助が働く地域でありたい。

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