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  • 2019/06/12 (水)
  •  自分が吸うときは「一本どうですか」と相手に勧めるのがマナーだった。「マッチを持っていませんか」と普通に聞いていた。半世紀ほど前は、たばこの害など誰も指摘しなかった▼そのころの本紙に「人吉市内のたばこ店は旧市内が75店、西瀬と中原、藍田で50店の計125店」と。「国体の開催を控え、専売公社が販売促進にハッパ」ともあり、時代がしのばれる。今たばこ店はどれだけ残っているのか。東京へ修学旅行の友人への“隠れ土産”は“洋モク”だったことも思い出した▼受動喫煙の問題もあって愛煙家は随分と肩身が狭い。敷地内禁煙の施設もあり、吸うときは指定の場所まで出掛けて…という現状。家庭に戻ればホタル族。紫煙をくゆらせながら原稿用紙にペンを走らせた身の、思いは複雑▼熊本市役所が7月から敷地内全面禁煙に踏み切る、熊本市議会棟も追随と報じられた。職員の勤務時間中の喫煙も禁止だそうだから愛煙家は当分、吸いたい欲望との闘いになろうと胸中を思う。7月1日からの受動喫煙の防止を目指す改正健康増進法の施行に伴って、という▼そんな動きはおいおい広まるだろう。どうする?郡市の市町村役場、そして民間企業。

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