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本願寺人吉別院で故物者追悼法要(2025/06/30) (2025/06/30)
 人吉市七日町の本願寺人吉別院で29日、令和2年7月豪雨の故物者追悼法要が行われ、遺族と救助活動やボランティアに奔走した人たちが当時を振り返り、悲痛な胸の内を明かした。
 同豪雨では、約400人の地区の門徒が被災し、5人の尊い命が失われた。同物故者追悼法要は、同3年に浄土真宗本願寺派熊本教区と熊本県仏教会と共催で始まり、令和5年からは人吉別院のみで行っている。
 午前10時に本堂で始まり、遺族や門信徒、参拝者、僧侶など約30人が出席。
 演奏に合わせて法要が行われ、遺族、参列者の順で焼香。石丸克也輪番が「復興が進む中、周囲から孤独、不安感を抱えている方も多いと思う。つらい記憶であるけれども、聴聞し思いを受け止めたい」とあいさつ。
 宮崎県の小林秀峰高校福祉科2年生の國本綾音さん(16)、人吉温泉旅館の女将・堀尾里美さん、球磨村渡のラフティング会社「LAND EARTH」の永田雅代さん、同別院の平塚真邦副輪番の4人が講演した。

●祖父母亡くし父への思いも 國本さん
 國本さんは小学6年生の時に被災し、祖父の國本一さんと祖母の洋子さんを亡くした。
 同年9月には父の光一さんが闘病生活の末に他界し、被災から2年後、中学2年生のころに母の五月さんの実家がある小林市に転居した。
 「いつもどおり起床してリビングに行くと、父と母が『おじいちゃんとおばあちゃんの様子を見てくる』と家を出て行きました。テレビのニュースを見た時は驚きました」と彩音さんは振り返る。
 一さんと洋子さんが行方不明になり数日後、見つかったと知らせを受けて2人の元に行った時は「頑張った跡がたくさん残っていました。思い出したくないけれど、当時はつらかったです」と込み上げる涙を拭いながら話した。
 学校が再開した一方、母の五月さんは何回も光一さんが入院している病院へ約2時間かけて往復する日々。コロナ禍で面会が制限される中、亡くなる前日に面会したことや、陸上自衛隊時代に被災地支援でたくさんの人を助けてきたという光一さんへの思いを語った。
 「将来は、父のように誰かの役に立ち、誰かのためになれるような職業に就きたい。介護福祉士の取得を目標に学んでおり、社会福祉士なども取得し、幅広い分野で人助けをしたい」。5年前の災害について「2020年7月4日の出来事はさまざまな世代に伝え、絶対に風化させないようにしたい」と力強く述べた。

●全国からの支援に感謝 堀尾さん
 堀尾さんは「7月4日は午前4時のアラートで目が覚めた。外を眺めると人吉橋の約1メートル下まで水が上がっているのが見えた」と言い、宿泊客への対応や指定避難所に向かう時の切迫した状況を話した。
 午後3時ごろに旅館に行き、濁流にのまれた悲惨な光景を目の当たりに。「その時は絶望的だった」と当時の心境を明かした。
 駐車場の泥出し、翌日からボランティアを含めた復旧作業が始まり、1年10カ月後に一部を再開。
 「人間は1人ではないと思った。全国から支援があり、涙しながらありがたいと思った」と感謝を述べ「これからは明るい未来を見て、自分たちも観光客にきれいな人吉市を見せたい」と話した。

●球磨村渡で救助活動 永田さん
 永田さんは「冠水した状況を見て、反射的にライフジャケットを着てレスキュー道具を持って救助に出た。島田地区で垂直避難していると区長さんから聞いて向かったところ、避難者が点在していた」と話し、泳いで救助に向かったこともあったという。
 「地区の人から『力を付けなさい』と言われてもらった卵焼きとおにぎりがすごくおいしかった。小学生がニコニコしながら作ってくれた」と涙ながらに話した。
 コロナの真っただ中でボランティアを受け入れ、なるべく人に会わないように泥出しや片付けをしてもらったという。今後は「川の大切さ、危なさ、当時のことや避難の仕方を伝えていきたい」と述べた。

●ボランティア活動に奔走 平塚副輪番
 平塚副輪番は豪雨の後、物資を届けたり人吉市大柿地区で重機を使って作業支援をしたりとボランティア活動に奔走。
 当時について「こんな大ごとになるとは思わなかった」と話し、情報が入っていくうちに「衝撃を受けた」と話した。
 「半年間、作業をしなかった日はなかった。作業をしていてつらいと思ったことはない。もっと早く、よくしたいという気持ちだった」と話した。
 「みんなこの町をより良くしたいという思いが強すぎて、人はぶつかってしまう。過ごさせていただく上で大事にすることは、人、自然共生ということ。自然と切り離すことはできない」と述べた。
 出席者は、講演を聴きながら一緒に涙するなど、共に当時を振り返った。
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